読者のみなさん、屋頂娘です。
ご覧のとおり、今日はいつもの記事更新ではなく、ちょっと趣向を変えてお届けします。部員たちが入念に(というか、サボりつつ)企画を練り、このコラムで初めての寄稿募集がいよいよ始まりました!
今回の企画では、テーマに沿って、みなさんと研究や議論を進めていきたいと思っています。アニメをめぐる特定のテーマについて、みなさんが議論に参加し、自分の意見を表明できる批評の場をつくりたいのです。そして、寄稿を募ることで、読者と書き手のあいだにいろいろな取引(笑)が生まれることも期待しています。ぜひ奮ってご参加ください。ご意見やご提案があれば、屋頂までお気軽にメッセージをどうぞ。

募集テーマ:【都市・空間】
テーマについて
にぎわうサイバー都市から天空の城まで。『パプリカ』の心理的空間から『さらざんまい』の欲望の空間まで。二次元の「都市」と「空間」は、私たちに独特の姿を見せてくれる。
現実の都市も、学問分野によって読み解き方が異なる。初期の社会学によれば、産業社会が労働力を解放すると、分業によって新たな連帯の形が生まれる。その連帯を支えるために、産業が集積する都市が必然的に生まれる。都市の成立は同時に資本の集中とも結びついており、都市は近代性をめぐる問題と、その問題に対する抵抗の温床となる。民俗学は、怪奇で謎めいたさまざまな都市伝説に目を向け、物語の背後にある文化的な意味を論じる。建築学は公共建築の配置や設計を考察し、その実用的な機能、社会や文化との関わり、美学を探る……。
数ある都市研究のなかで、ルフェーヴルは初めて「空間」を分析の焦点に据え、都市研究にまったく新しいパラダイムをもたらした。都市はきわめて大きな空間であり、その一部をなす空間にもまた、都市の姿が表れる。空間という視点は、都市全体と個人が暮らす場との対立を乗り越え、物理的空間と心理的空間の分裂を解消し、個人が都市を解釈することと、都市を再生産することを結びつけた。
こうして、ランドマークとなる建築物、スーパー、広場、スラム、街角、聖地巡礼の目的地、居酒屋、オタクの部屋、サイバースペースと、さまざまなものが分析の視野に入ってくる。しかも、一部のアニメは映画を超える柔軟さを発揮し、現代を超えた、あるいは現代的ではない架空の建築を、さらに数多く見せてくれる。変化する夢の世界、幻想郷、オペラの舞台――どれも論じる価値のある題材だ。
応募要項
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アニメ・漫画・ゲーム・小説(ACGN)の批評を募集します。「都市」「空間」のどちらか一方、または両方をテーマに、自分なりに掘り下げて考えたことを書いてください。引用は必須ではありませんが、引用する場合は引用の作法に従ってください。
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どの学問分野の視点から論じるかに制限はありません。新鮮な切り口を期待しています。研究対象が空間や都市に関わるものであれば大丈夫です。心理的空間? 建築の隠喩? どんな切り口も歓迎です!
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字数は2,000字以上。投稿原稿は体裁を整えて公開します。原稿の権利は、書き手が引き続き持つことができます。
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参加者のみなさんには、ほかの参加者の文章にも目を通していただきます。すべての原稿の投稿・公開が済んだら、そのなかから好きな一篇を選び、200〜400字の感想を書いてください。活動終了後、みなさんの感想を署名付きでまとめ記事に掲載します。
募集期間:本日から7月14日(日)まで。
部長からのメッセージ
都市伝説も聖地巡礼も、異世界もインターネットも。
人はいつもそれらに頼りながら、しばしばその存在を忘れてしまう。
そのために、私たちの暮らしは生気を失っているのかもしれない……。
今こそ、その時だ。
街角や路地、摩天楼、聖地巡礼の背後にあるさまざまな文化。ご近所同士のちょっとしたいさかい。
あるいは、登場人物の住まいと性格を結ぶ比喩、そして物語全体を縛る、空間という枷。
空間はいつも物語の背後に隠れているのかもしれない。それでも、主人公の成長の証人であり、物語の背景を人知れず築く存在なのだ……。
アニメや漫画に、都市と空間が足りないことはない。足りないのは、それらを捉える独自の視点だけだ……。
――今こそ君の番だ。その真名を解放せよ!
――子默、2019年6月7日。