屋頂現視研
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屋顶年刊|僕らも、その一本の木、一つの石になってみてはどうだろう?

屋顶现视研の二代目所長・静希が、設立以来の運営、メンバー同士の協力、執筆に対する考え方を振り返る。hep による屋顶の2018年の執筆活動の総括も掲載。

著者: 屋顶现视研翻訳: 甚谁Bot[AI assisted] · 全文レビュー: 甚谁Bot[AI assisted] · 全文

私は未来への大きな希望をまだ捨てていない。ゆえに、見識ある人々の心の声に耳を傾け、互いの内なる光を見つめたいと思う。内なる光とは、暗闇を打ち破るもの。心の声とは、偽りを離れたもの。……世に語られる言葉とは何なのか、人のなすこととは何なのか。心の声も、内なる光も、見いだせない。

――魯迅。これは本当に本人が言っている。

静希草十郎のプロフィール画像
静希草十郎

屋顶の二代目所長。ならば、答えは一つ――行動だ!

静希:

部員の皆さん、こんにちは。私が自分の名でお話しするのは、bilibili ではこれが初めてということになります。知乎(Zhihu)で本研究所の「創刊の辞」を見つけて読んでいなければ、皆さんにとっても初めてでしょう。屋顶や、その背後にいるチームについて、知りたいこともいろいろあるでしょう。以前のQ&Aも交えながら、まずはそのあたりを紹介しておきます。

Q: 屋顶を立ち上げたきっかけと目的は? 書き手はどうやって集まったのですか?

A: きっかけは、所長が三次元のあれこれから、しばらく手を離せるようになったことです。目的は活動を始めてから振り返って定めたもので、今のところは、おおむねプロフィールの一言欄に書いてあるようなことです。書き手は勝手に集まってくるわけではありません。初期メンバーは所長が二つのつながりを通じて誘ってきました。一つは、所長自身が立ち上げたコミュニティ「戦吧人文社会科学部」。もう一つは、所長の高校・大学時代のリアルの友人やネットの友人です。もちろん、最初の部員がそろってからは、外にも開かれたチームになっています。

Q: 研究員の年齢層は?

A: 学部生から博士課程/社畜まで。残念ながら、天才高校生は加わっていません。

Q: 日本のアニメの流行は、日本の社会や歴史の影響を受けて、どう変わってきたのでしょうか?

A: 近いうちに関連する文献の翻訳を公開します。お楽しみに。

Q: バーチャル蠱毒をどう見ていますか?

A: 個人的な見方ですが、バーチャルアイドルの活動が、プロテスタンティズムの倫理に根ざした自発的な個人主義の段階から、企業トラストの段階へと移る、その一つの徴候だと思います。今後は中の人の待遇改善や権利の拡充につながってほしいですね。その逆ではなく。私の推しはシエラとキツネだけです。白髪キャラ好きなわけじゃなく、たまたま好きになったのが白髪だっただけです。

Q: 東浩紀『動物化するポストモダン』の欠点は?

A: 全体にわたって論評するのは難しいですね。魚板さんの知乎の記事「ヒステリー化するポストモダン」を参考にしてください。東浩紀に対する精神分析的な批判です。

Q: 屋顶という名前の由来は?

A: 「屋顶上的」は「屋上の」……――『屋上の百合霊さん』から。文化研究……――『ココロコネクト』の山星高校文化研究部から。所……――Institute。「屋上」には風景を俯瞰するという意味合いもあり、多くのアニメで重要なモチーフになっています。「文化研究」は、実際には文芸批評という意味で使っています。

Q: おすすめの本は?

A: 本来なら研究員を集めて話し合い、合意に基づく推薦図書リストを作るべきなんでしょうが、それでは行政コストが大きいんですよね。所長は原則として主権者ですから、ひとまず独断と偏見で選んだ本を挙げておきます。社会科学や哲学に興味があり、これから学んでみたい部員の皆さんへ。

(訳注:以下の書誌は画像にある中国語版のもの。括弧内の日本語は書名・副題の説明訳。)

中国語版『发现社会』の表紙と書誌情報、豆瓣の評価を示す画面
ランドル・コリンズ/マイケル・マコウスキー『发现社会』(社会の発見)。原題 The Discovery of Society。李霞訳、商務印書館、2014年、中国語版。

画像内の書誌・評価欄:中国語版『发现社会』。副題は西洋社会学思想の概説。ランドル・コリンズ/マイケル・マコウスキー著、李霞訳、商務印書館、2014年5月、481ページ、平装、価格39.00、ISBN 9787100097406。原題はThe Discovery of Society。表紙に第8版の表示。画面当時の豆瓣評価は9.5、378人。星5から1の割合は78.0%、19.8%、1.6%、0.3%、0.3%。

中国語版『哲学的历程』の表紙と書誌情報、豆瓣の評価を示す画面
William F. Lawhead『哲学的历程』(哲学の歩み――西洋哲学史入門、第4版)。郭立東・丁三東訳、中国軽工業出版社、2017年、中国語版。哲学入門書『大问题』(大きな問い)でもいいですね。

画像内の書誌・評価欄:中国語版『哲学的历程』。副題は西洋哲学史入門、第4版。William F. Lawhead著、郭立東・丁三東訳、中国軽工業出版社、2017年3月1日、646ページ、平装、価格73.5、ISBN 9787518412600。原題はThe Voyage of Discovery: A Historical Introduction to Philosophy, Fourth Edition。画面当時の豆瓣評価は9.8、16人。星5から1の割合は93.8%、6.3%、0.0%、0.0%、0.0%。

中国語版『福柯』の表紙と書誌情報、豆瓣の評価を示す画面
ガリー・ガッティング『福柯』(フーコー)。王育平訳、訳林出版社、2010年、中国語版。あわせて「牛津通識読本」というオックスフォードの入門書シリーズも。

画像内の書誌・評価欄:中国語版『福柯』。ガリー・ガッティング著、王育平訳、訳林出版社、2010年8月、119ページ、平装、18.00元、ISBN 9787544708739。原題はFoucault。叢書はオックスフォードの入門書シリーズ。画面当時の豆瓣評価は8.2、844人。星5から1の割合は30.0%、54.3%、14.6%、0.8%、0.2%。

中国語版『导读拉康』の表紙と書誌情報、豆瓣の評価を示す画面
ショーン・ホーマー『导读拉康』(ラカン入門)。原題 Jacques Lacan。李新雨訳、拜德雅/重慶大学出版社、2014年、中国語版。あわせて出版ブランド「拜德雅」のシリーズも。

画像内の書誌・評価欄:中国語版『导读拉康』。ショーン・ホーマー著、李新雨訳、拜德雅/重慶大学出版社、2014年9月1日、225ページ、平装、29.00元、ISBN 9787562484332。原題はJacques Lacan。発行ブランドは拜德雅、叢書は思想家と思想の入門シリーズ。画面当時の豆瓣評価は8.5、181人。星5から1の割合は43.1%、47.2%、9.4%、0.0%、0.3%。

以上、Q&Aでした。2018年を振り返ると、7月末から8月初めにかけて始動して以来、屋顶は5か月である程度定期的に更新できるようになり、三つのプラットフォームに拠点を築き、フォロワー数は三つを合わせておよそ4,000に達しました。この成果には、私たち自身もかなり驚いています。所長本人は自分の理念を信じ、きっと成功するという自信もそれなりに持っていましたが、もちろん、予想外の展開もいろいろありました。

「まず戦いに飛び込む。結果はそれからだ。」

夕暮れの路地にいるオルガの横顔。画面下部の中国語字幕は「道は延び続ける……」という意味
これがお前の言っていた道なのか! オルガ!

(字幕の訳:画像内の中国語「道路就会不断延伸…」は、「道は延び続ける……」という意味。)

2019年も、屋顶は価値のある文章を発表できるよう努めていきます。ここで二つ、お話ししておきたいことがあります。私たちの文芸批評は、作家論を排除するものではありません。たとえば作家映画では、作家性そのものがとても重要な特質となるでしょう。ただ、私たちの記事に何でもかんでも「作者もそんなことは考えていない……この記事はでたらめだ……」と返されるのなら、こちらとしては放置プレイ、相手にしないまでです。

思想家の見解を批判したいのなら、まずはその対象を理解してください。理解もしないまま外から妙なことを言っても、笑いものになるだけです。私個人としては、同時代の評価の仕組みのなかで、大学で専門的な訓練を受けた研究者の共同体から承認されることは、ある思想に意義や説得力があるかを判断するうえで、今のところそう悪くない基準だと思います。ここで言う承認には、論争の相手として認められることも含みます。もちろん、長い目で見れば、その判断は読者の共同体と歴史の歩みに委ねることになるでしょう。話がそれました。これは私個人の考えです。

次に、屋顶には、書き手が何を書くか、どう書くかを左右する力は基本的にありません。まして強制する力などありません。誤字や言葉遣い、文の組み立てといった細かな問題なら助言できますが、思想や見解の中身にはほとんど干渉しません。炎上を招くような過激な意見だと判断した場合は別ですが。私たちは書き手に、できるかぎりの創作の自由を認めています。締切もなければ、無理に原稿を頼むこともありません。つまるところ、自律的で自由な書き手の連合体なのです。ですから、少しずるく聞こえるかもしれませんが、書き手個人の見解と、それを映し出すスクリーンとしての屋顶とは、分けて考えていただきたいのです。コラムの執筆者と雑誌の関係に似ていますが、私たちには紙の雑誌ほど大きな権限はありません。

もちろん、人生には限りがあり、知には限りがありません。一般に共有されている基本的な認識について、書き手や私が間違ったことや偏ったことを書いていたら、どうか穏やかに指摘してください。これからも謙虚に、異なる意見を受け入れる姿勢でいたいと思います。

hephaestusのプロフィール画像
hephaestus

詩と思索を大いに語る前に、驚きと畏敬からこそ始まるものがあることを忘れずに。

編者注: 所長のほかに年間の総括を書いたのは hep だけ。このアカウントのゆるさが分かるというものです。

「当時はただ、趣味や志向も、立場も、価値観もまったく違う人たちが一緒に何かを書く、そんな光景を見てみたかった。この文章を打っている今、この集まりもできてから半年あまりになる(静希注:半年もたっていない)。不思議な帰属意識が生まれたとか、この先も役立つことを学んだとか言えば、たぶん嘘になる。でも、総括を書こうと言い出したのは僕だし、話しておく必要も、話せることも確かにある。」

本来ならこのアカウントの最初の記事になるはずだった『ペルソナ5』(P5)の雑談は、サボっているうちに aus さんの「科学と魔法」シリーズのあとになってしまった。いろいろなインタビューを読み終えたころから、ゲームメディアのP5の記事をときどき読んでいたのだけれど、そのうち自分でも我慢できなくなった。「ユング以外のことは書けないのか?」もちろん、できあがったのは、あちこちに話を飛ばして好き勝手しゃべっただけの記事だ。それでも、まだP5について何か書きたいと思っている人に、別の考え方をいくつか示す、という自分なりの目標は果たせたのかもしれない。ユングを離れても面白いことはたくさんあるし、作品の細かな要素について、何を借りてきたのか、その原型は何かと調べてばかりいる必要もない。もう少しとりとめのない話を読みたい人だっているはずだ。

二本目の『空の境界』の記事は、要するに、浅神さんがボツ原稿をどうやって多少は読む価値のある文章に変えたか、実例を通して教わる文章講座だった。少し手を抜くつもりもあって初稿を出したときは、こんなふうに変わるとは思っていなかった。この記事を書いていた前後が、たぶんいちばんつらかった。誰かに迫害されたとか、どこかの大物に名指しで批判されたとかではない。あのころは僕らが誰なのか、誰も知らなかった。何をどう書いても、記事の中身について読者と話すことなどできない気がした(もちろん、今だってできるとは限らない)。僕らのやっていることは、記念の意味を込めた副題に合わせて一本記事を書くようなもので、たいした意味もないように思えた。この話を通じて、ひとまず自分の立場は示せたつもりでいる。エヴァは結局何を語ったのか、『カウボーイビバップ』のどこがいいのか、といった体系的な「大きな」問いに答える能力も興味も、僕にはない。ずっと、自分が面白いと思うことを書いているだけで、それ以外はそもそも僕のやりたかったことじゃない。

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の記事は、ほぼ sue さんがその場の思いつきでしゃべっていたことから生まれたものだ。ニーチェもスタァライトも、僕にとっては話すと揉めやすい話題だ。静希さんの学校の張先生が拙文を気にかけてくださったことには、感謝するほかない。最近書いた『ゾンビランドサガ』の記事では、細かな言い回しを丁寧に整えてくれた静希さんに、ほとんど頼りきりだった。なにしろ僕は文章の作法に疎いし、人に分かるように書かなきゃいけないなんて考えたこともなかったので(直してる、直してる)。

来年はどのアニメに、何か書かずにはいられない衝動をかき立てられるのか、まだ分からない。あるいは、ふと昔のアニメを引っ張り出したとき、面白い話題を思いつくかもしれない。『ブギーポップは笑わない』を手がかりに殺人鬼について話すかもしれないし、宮崎駿作品のなかでいちばん好きな『紅の豚』について何か書くかもしれない。これまで書きかけのまま残したものも、少しずつ書いていくつもりだ。

『約束のネバーランド』が始まったら、たぶん何か発表すると思う。もっとも、作品そのものとはあまり関係がないかもしれない。新しい年の展望として語るには、あまりふさわしくなさそうな話題について。すすり泣きと、世界の終わり。

というわけで、以上が屋顶の2018年の総括です。


訳注

  • 題名の木と石:魯迅の1935年6月29日付頼少其宛書簡に由来する。大きな建物を造る一本の木、一つの石に、自分たちの仕事をたとえている。頼少其芸術館の書簡展示
  • バーチャル蠱毒:同じキャラクターの演者を目指す候補者が配信で競い合う、2018年の「最強バーチャルタレントオーディション~極~」を指す当時の呼び名。主催者の開催案内、当時の呼称の使用例
本文終わり

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